5月13日に公開された映画『シン・ウルトラマン』が絶好調だ。公開前から『シン・ゴジラ』で絶大な支持を得た樋口真嗣監督、総監修が庵野秀明というタッグであること、斎藤工(40)、長澤まさみ(34)、西島秀俊(51)といったキャストが大いに注目を集めていたが、24日までの12日間で観客動員143万人、興行収入21・6億円を突破し、早くも今年最大の話題作という声も上がっている。
「樋口監督はパンフレットで“オリジナルが好きな人に向けてサービスしましょうということは、実はほとんどやっていない”としていましたが、現代の技術ではチープに見える部分もある当時の“飛び人形”を再現したり、コアなファンしか知らない“誤植ネタ”を大胆に物語に組み込んだりと、マニアにはたまらないニヤリとする部分が満載です。
それでありながら、66年放送の初代『ウルトラマン』を大人向けのSF考察も取り入れて再構築し、一般層も楽しめる一本の映画にしてあります。何より、役者陣への評価が軒並み高いですね」(特撮ライター=以下同)
『シン・ウルトラマン』では役者陣の顔が、映画館のスクリーンにドアップで映るカメラワークが多用されているが、それに耐えうる俳優陣がそろった。とりわけ、映画では長澤と山本耕史(45)が予想以上の反響を得ているという。
「ヒロインで“禍特対”メンバーの浅見弘子を演じた長澤さんはともかく、クレジットでもメインより少し下の扱いで、パンフレットにインタビューも掲載されていない山本さんはダークホースでした。山本さんが演じていたのは原作でも人気の高い悪役・メフィラス星人をモチーフにしたキャラですが、中盤は主人公のウルトラマン(斎藤)を食う圧倒的な存在感を見せていました」
山本演じるメフィラスは特殊メイクもしていないが、細かなしぐさや笑顔のはずなのにまったく表情がわからない絶妙な演技などで「人間じゃない」と一目でわかる異様なオーラや終盤の腹立たしいほど潔い判断、「○○、私の好きな言葉です」という使い勝手のいいフレーズなど多くの要素が相まって絶大な支持を得た。