■同じ特撮映画でとんでもない差が開いてしまった有岡と山田

 一方で、専従班の非粒子物理学者、つまり「博士ポジション」の滝明久を演じた有岡大貴については、気がかりな部分があるという。

「有岡さん自身は“しょせん人類の科学力なんて宇宙人からしたら…”という腐りかける演技や終盤の活躍が素晴らしかったんですが、問題は同じくHey!Say!JUMPメンバーの山田涼介さん(29)です。山田さんにも非はまったく無いんですが、間が悪かったといいますが……山田さん主演映画が立て続けに酷評されてるんですよね」

 山田は、5月20日に主演映画『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』が封切られ、初週の週末興行収入ランキング9位という低空飛行のスタートとなったが、それ以上に同じく「特撮映画」で2月に公開され、近年まれにみるレベルでストーリーが酷評された『大怪獣のあとしまつ』の印象が根強く、「山田主演映画=つまらない」という悪評が定着しつつある。

《有岡くんが出てるのも相まって、大怪獣のあとしまつがちらつくのかなしい 山田涼介くんなんもわるくないのに あとしまつの後始末悪すぎる 悲しい》《シン・ウルトラマンの絶賛の声が上がるたびに有岡大貴、山田涼介を助けてやれよって思ってしまう》《実写邦画に出演していてどちらも演技力に定評があるのに出演作の出来不出来によってこんなに差が出るのつらすぎる》

 と、ファンの間では悲痛な声が広がっているのだ。

「なお、『シン・ウルトラマン』の発端は、17年に庵野さんと旧知の仲で当時円谷プロの社長に就任した塚越隆行現会長兼CEOが庵野さんに“2020年に向けた3本連作”を依頼したことでしたが、その後3部作だと3本目の制作がかなり先になるため、“先に2本作った後に可否を考えましょう”となり、コロナ禍など紆余曲折を経て完成したのが今回の『シン・ウルトラマン』。つまり、続編の政策がほぼ決定事項なんですよ」

『シン・ウルトラマン』のデザインワークス(株式会社カラー)で、庵野氏は続編について「製作費がべらぼうに高くなるであろう」「僕自身の問題もあります。今はとにかく疲れました」としつつも、

「また映像作品を作れるだけの気力が回復し、新たに邦画の制作環境を整えられた時に、続編に着手できたら良いなと思います」

 と意欲的なコメントを見せていた。

 大ヒットの裏で思わぬ明暗がついてしまった山田と有岡。山田が『帰ってきたシン・ウルトラマン』に出演、という未来があるといいのだが……。

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