■『続 若草物語』で“モデル”の三女は逝去――

 前出のテレビ誌編集者はこう言う。

「ズバリ、退場するのは、上白石さん演じる歌子だと思われます」

 退場キャラクター“歌子本命説”の1番の理由――それは、『ちむどんどん』の発想の元になったという、1868年に出版された、ルイーザ・メイ・オルコットの世界的名作、アメリカの児童文学『若草物語』にあるという。

「比嘉家の4人きょうだいは、『若草物語』のマーチ家の四姉妹をモチーフに、朝ドラ制作陣がアイデアを出し合って作られた登場人物である、ということがNHKドラマ・ガイド『ちむどんどん Part1』(NHK出版)で語られています。

 長男の賢秀は脚本家の羽原大介氏の父がモデルで、そこだけ『若草物語』とは異なりますが、良子は家庭教師をやっていた長女のメグ、暢子はおそらく次女のおてんばで勝ち気、作家の夢を追うジョーにあたります。そして、病気がちで内気な三女のベスがモデルになっているのが末っ子の歌子でしょう」(前同)

『若草物語』は南北戦争中のアメリカ・東海岸北部を舞台に、父親が従軍中で不在の間、母と4姉妹で過ごした1年間の物語なのだが、続編が3つ書かれている。そして、2作目の『続 若草物語』では、病弱な三女のベスは闘病生活を送り、ニューヨークでの作家修行を終えて実家に戻ってきたジョーに看取られながら息を引き取る、という衝撃的な展開が……。

「『ちむどんどん』では、ヒロインの暢子らの幼少期、母の優子が、貧しい暮らしを送っていた豆腐屋を営む砂川家に魚の煮つけなどご馳走をあげに行くシーンがありましたが、『若草物語』では、マーチ家の母が近所に住む貧しい家庭のフンメル家にクリスマスの朝ご飯を渡すエピソードがあります。

 また、原田美枝子演じるレストランのオーナー・房子が大叔母だったことが第42回で判明しましたが、『若草物語』でもマーチ四姉妹の大叔母は非常に裕福で、最終的に彼女が所有するプラムフィールドという土地や屋敷をジョーに相続させるんです。

 もちろん、どこまで『若草物語』のオマージュをするか、近づけていくかは分かりませんが、次女のジョーがニューヨークに向かうことは暢子が上京することと重なりますし、『ちむどんどん』の各所に『若草物語』のエッセンスが散りばめられているのは間違いありません」(同)

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5