■かわいいが終わることから始まる世界とは

 そもそも、順風満帆な自分の目の前に59歳の自分だと名乗るおっさん(古田新太/56)があらわれたことで悩ましい日々を送る丸谷だが、性格的に穏やかで優しい人柄であることは明確なので、「かわいいが終わること」への謎よりも、「かわいいが終わったらどうなってしまうのか」が気になる。

 和泉との関係も気になるところだが、そもそも丸谷は、和泉に対して当初、よいイメージがなかった。仕事を通して接しているうちに、実は誠実で何事にも一生懸命で人に対して敏感なタイプであることを理解して、彼女のかわいらしさを見出している。

 そして和泉も、丸谷に対して容姿の美しさと愛嬌だけで生きているような人だと思っていたが、実は見た目に釣り合うよう努力を重ねていて、誰に対しても誠実に向き合っていることを知っている。なにより、自分の居場所を探し続けていた和泉にとって、丸谷はかけがえのない存在なのではないか。

 丸谷のかわいいが終わることの意味、それに付随する人間関係の変化、和泉との恋の行方など、見どころ満載の最終回になりそうだ。(文・青石 爽)

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