■俳優・木村拓哉のこれから

 過去にテレビ朝日のドラマで主演を務めたのは、『BG~身辺警護人~』(18年・20年/テレビ朝日系)シリーズで、民間企業所属の志の高い凄腕ボディガードの役だった。『未来への10カウント』では、今日を生きていることが苦しい表情や出会いによって変化していく姿など、同世代の違う世界に生きる男のリアルな姿を、真っすぐにカッコよく演じた。

 また、指導者としてのドラマは『教場』(20年・21年/フジテレビ系)で、警察学校の厳しい教官役演じている。こちらは孤高のカリスマで近寄りがたい人物だったが、桐沢のような人間味があって温かみのある指導者も魅力的だ。

 光と影、冷と温、どれも木村拓哉ならではの魅力を加えた人物として生きているのがすごい。こうなると、木村拓哉が演じることで、注目されスポットがあたるような業界や職種で生きる姿を見てみたいと感じてしまう。

 生きる上で関わりがあるのに、役割として認知や理解が少ない職業で、翻弄されつつも社会問題を解決に導くような仕事をする人物。たとえば役所に勤務する人物や、介護・医療・保健・福祉関係の職員など。農業や再生エネルギーなど、地球規模の取り組みに関わる人物など、身近に関わることがなければ知りえない苦悩や喜びなどを教えてほしい。

 もちろん、大人の恋愛ものや歴史上の人物などもいい。また素晴らしい芝居で魅了してくれることを期待している。(文・青石 爽)

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