■「出産・子育て」が消えた!

 それから3日後の6月25日に放送された1週間の振り返りでは、まずナレーションのジョン・カビラによるポークたまごの解説が挿入された。その後、暢子が「アキサミヨー! うちのポークが少ない」と激怒した。愛が取り分けたポークの分量に「あっ、ごめん。男の人のほうがいっぱい食べると思って」と謝ると、智が「女は愛嬌。愛ちゃんを見習え」と暢子に言い放つ。

 暢子が「何で愛嬌がないといけないわけ? 女も男と同じように働けるし、ポークも食べる!」と叫ぶと、智は「金を稼ぐのは男の務め。女は家庭を守り男を支える」と、二人のやり取りはさらにヒートアップ。

 それを聞いた和彦が、智に対して「いや、それはどうかな。男の都合で、女を『専業主婦』という型にはめるべきじゃない。男も女も、それぞれあるがまま、尊重されて、大切にされる世の中であるべきなんだ」と反論した。

 本放送と比較すると、和彦が冒頭で発言していたはずのセリフが土曜の総集編では会話の最後に来ていること、また智と和彦の「出産・子育て」にまつわるセリフがカットされ、智の発言は差し替えられていることがわかる。

 この変更について、ドラマライターの板橋六郎氏は「背景にクレーム、視聴者の意見があった可能性は高い」と話す。

「ドラマは1970年代を描いているわけで仕方がないのですが、それでも、専業主婦や男女の役割の話もそうですが、“出産・子育て”という特にセンシティブな話題、単語に対して、視聴者からクレームがあった可能性が考えられます。結婚したからといって子どもを持つ人ばかりではないわけですし、視聴者から意見があったとしてもやむを得ないものでしょう。

 ただ、意見があってから撮影をし直すことは考えにくいので、もともと撮影していたけどOAしなかった“Bパターン”を苦肉の策として流したのではないでしょうか」(前同)

 視聴者からは、「“結婚したら女は出産と子育て”とか言ってる智にドン引く」「智がどんどん嫌な奴になってって辛いよ~…女は愛嬌だとか、女は結婚家事出産育児だとか…女女女って…女の人生ってなんなの…」「智は優しいのにソッチ側だったんだ、、男と同じようにしたいと言う暢子に結婚したら女は仕事より出産子育てだと言う」と、本放送の智の「出産・子育て」をはじめとする一連の発言への批判がSNSに寄せられていた。

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