■ビートルズとすき焼きを
実に気取らない姿勢だが、来日したビートルズとすき焼きを仲良く共にしたのも、よく知られた話だ。
「外出できない彼らのもとに“すき焼き”を届けて一緒に食べたといいます。ジョンは椅子をどけて正座して、顎をテーブルに乗せて食べていたとか。当時、日本人であれだけビートルズとフレンドリーに過ごせたのは、加山さんだけでしょう」(鈴木氏)
そんな加山が唯一、苦手だったことが経営だ。
「70年8月、父親の上原謙さんと経営する『パシフィックホテル茅ヶ崎』が、経営破綻。加山さんは23億円もの負債を抱えることになりました」(芸能記者)
その直後の生活は、加山の持つ優雅な印象とはほど遠いものだったという。
「家賃9万円のマンションに住み、奥さんと卵かけごはんを分け合ったといいます。苦労の末、8年で負債を完済しましたが、結局ホテルは88年に完全廃業。越後湯沢にある加山キャプテンコーストスキー場も経営難で11年に閉鎖しましたが、このように、たびたび大きな借金を作っていましたね」(城下氏)
70年、愛する光進丸も差し押さえの対象になった。
「税務署からの赤紙が貼られたまま“動かさないと傷んで価値が下がる”と、悠然とクルージングをしていたそうです」(芸能記者)
これぞ、小さいことを気にしないスターの姿! 加山雄三と時代を共にできて、我々は“幸せだったなあ”。
■まだある!若大将「抱腹絶倒!」超人伝説4連発
【本番中に居眠り】25歳で黒澤明作品『椿三十郎』に参加。セリフがないシーンだったとはいえ、巨匠の前でも臆せず、本番中に居眠り。世界のクロサワは「加山、眠いのか。じゃあ休憩!」と言って、3時間の休憩に入ったという。
【浮世離れした散歩】2015年まで放送された『ゆうゆう散歩』。庶民的な土地を巡ることが多かったが、食堂で「ブイヤベースある?」と聞いたり、漁船を見て「僕の光進丸と競争させよう」と言ったり、若大将節フルスロットルだった!
【サウナマット交換】2021年、地元・茅ケ崎の商店街に、AIに学習させた自身の合成音声を提供。市役所やスーパーの館内放送に使用され、温泉施設では「サウナマットの交換をします」という若大将の声が!
【最高の言い間違え】1986年、初めて『NHK紅白歌合戦』の白組司会となって張り切る若大将。トップバッターの少年隊を呼び込む際、「少年隊で『仮面ライダー』!!」と元気よく紹介。『仮面舞踏会』の天才的な言い間違いだった。