■酷すぎ「トマトソースぶちまけ」フードロス描写

 現実に即したものではない料理描写に加えて、とにかく「酷い」と多くの怒りの声が上がるのが、『ちむどんどん』の「フードロス」についてだ。

「料理がメインのドラマの『ちむどんどん』ですが、“食べ物が無駄になっているのではないか”と視聴者に感じさせるシーンが多く描写されてしまっています。

 暢子の高校時代、料理勝負大会でチームのメンバーが沖縄そばのダシをぶちまけたり、ペペロンチーノ勝負で暢子が試作した大量のパスタが放置されていたり、智が過労で倒れたときに、売り物の野菜が床に転がったり。野菜は洗えば使えますが、暢子が転んでぶちまけた料理とか、肉を焦がしたりするシーンの食材は……。そうしたこともあって、“食べ物へのリスペクトが足りない”という視聴者の声が多く上がっているんです」(前出のテレビ誌編集者)

「フードロス」の極めつけは「トマトソースをぶちまける」描写だ。6月20日放送の第51回で高嶋政伸(55)演じる、暢子の勤務先のレストラン「アッラ・フォンターナ」の二ツ橋シェフが入院、厨房の指令塔を失ったためにスタッフのオペレーションは崩れる。

 そんな中、井之脇海(26)演じる先輩シェフの矢作が暢子を突き飛ばし、暢子はトマトソースがたっぷり入った鍋を持っている池田航(27)が演じるシェフの桃木にぶつかってしまう。そして桃木はトマトソースを盛大にぶちまける……というシーンがあった。

 このシーンを受けて、視聴者は「料理がおいしそうに見えないし、トマトソースを盛大にこぼしたり、ケンカでお皿ガッシャーンとか、料理を粗末に扱うシーンばかりでうんざりする」「物語上の必然性などないのに食べ物を使ってギャグをやるのは古臭い」「トマトソースぶちまけから、制作側が料理を本当にリスペクトしてないのが伝わってしんどい 近年まれに見る料理への冒涜シーン、これが料理の道を志すドラマだってんだから……」と、猛批判が繰り広げられてしまったのだ。

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