■永瀬廉と西畑大吾の願いが叶った

 ところで、秀吉が勝利をおさめるきっかけになったのは、信長(永瀬廉/23)だった。秀吉が幼少期に他校の生徒に囲まれ、下着一枚で万事休すというところで、赤いTシャツの少年に救ってもらったことがあった。

 そのときの少年が信長だったことを知って、飛び上がるほど驚く秀吉なのだが、ここで、西畑が「いつか芝居で会話ができるといいね」という話を永瀬としていたというインタビュー内容を思い出す。

 信長と秀吉の顔と顔の距離、推定15センチ。秀吉の窮地を救い勝利を呼び込む信長と、傷だらけの秀吉に、事務所の同期であり、長年、親友関係にある2人の絆が見えて鳥肌が立ってしまう。

 過去の自分と向き合う秀吉と、過去に窮地を救った信長の、過去から現在、そして未来に通じる感覚が、演じる本人たちとシンクロするとても素晴らしいシーンだった。

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