■後半に向け不安がつのる新木優子の演技

 さらに、ストーリー展開も、「梨泰院のポイントはほとんど盛り込まれているうえに、独自の演出もあり、素晴らしい脚本になっていると思う。6話以降が楽しみ」など、エピソードをかなり省略してはいるが、ポイントをうまく押さえていて、良いスピード感になっていると、オリジナルファンも楽しんでいるようだ。

 次回は、「長屋」の株主総会が行われ、新と相川専務が茂の会長解任を画策するなど、ビジネスバトルが加熱するらしい。また、新が自身の過去をすべて葵に告白することで、2人の距離がさらに縮まっていき、恋愛バトルも盛り上がってきそう。そこで、心配になってくるのが新木の無表情な演技だ。

 今のところ、優香がクールな雰囲気を保っているため、新木は問題なく演じているように見える。だが、これからは、新をめぐる三角関係がもつれたり、「長屋」と「二代目みやべ」との板挟みで窮地に陥ることが予想され、激しくも複雑な心の表現が必要になってくる。

 それも、クセの強い演技派の香川や、主役を食いそうな存在感を発揮している平手が相手だ。心を揺さぶるシーンで新木が浮いてしまうと、怒とうの後半戦に水をさすことになってしまう。優香役だけが“ミスキャスト”だったと批判されないよう、新木の進化に期待したい。(ドラマライター/ヤマカワ)

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