■家康・小澤征悦と織田信長のバチバチな攻防

 家康は制限時間前になって、明智を精神的に追い込んでくる。図書室に隠れている明智を知ってなのか、中庭から拡声器を使って明智のほしい言葉を全校生が聞く前で垂れ流すのだ。「お前の人生は誰のものだ」「ひとりで生きていく強さを持て」「おまえが歩んできた裏の道を、俺が表に変えてやる」と。

 結局、明智は家康に降伏をし、旗印戦は家康の勝利となった。自分に正直に生きたいがゆえの決断だったが、『反家康同盟』を結んだクラスメイトにしてみたら、裏切り行為と受け取られただろう。相手の弱みを把握し圧勝する家康に、いよいよ信長が動きそうだ。

 これまでも、信長と家康は冷静な会話の中で、バチバチに熱い会話をしている。廊下ですれ違ったとき、図書館で地球儀を囲んだとき、見ているほうが緊張してしまうような会話を繰り広げている。戦には興味がないという信長が、いよいよ立ち上がるようで次話が待ち遠しい。(文・青石 爽)

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