■サラダはよく噛む、ダイエットにも注意

 健康にいい、といわれている食材も、食べ方によってはマイナスに作用することがある。

 その代表例が、生野菜。ビタミン、ミネラル、食物繊維がとれる生野菜は、確かに健康食材ではあるが、生野菜サラダを漫然と食べるだけでは不十分だという。

「生野菜のような冷たい状態の食物繊維は、消化に悪く、胃腸に負担をかけます。ですので、しっかりと時間をかけて、口の中で咀嚼をするのがポイントです。噛むことで繊維が細かくなり、そして温まることで、胃腸の負担が減り、栄養の吸収効率が高まります。量を取るなら、温野菜にするのも効果的です」(同)

■ゼロカロリー食品に警鐘

 近年は健康志向の高まりから、ダイエットに励む人も多い。内科医で、訪問診療医の清藤大輔氏は、ダイエット効果が期待されるゼロカロリー食品について、こう警鐘を鳴らす。

「ダイエット目的で使われるゼロカロリー食品には、人工甘味料が入っています。少しなら問題ないが、腎機能低下や、脳卒中、心筋梗塞リスクの上昇など、さまざまな悪影響も指摘されています。ゼロカロリー食品を日常的に食べるのは、避けたほうがいいでしょう」

 本来のダイエット効果についても、こんな指摘が。

「人工甘味料は砂糖の約200倍から4万倍もの甘みがあり、定期的な摂取は味覚をおかしくさせ、“甘み中毒”になるという研究結果もあります。アメリカ・テキサス大学の8年間の追跡調査では、ダイエット系炭酸飲料を毎日飲んだ人の36%に、メタボリック症候群のリスクがあったことも判明しました」(医療ジャーナリスト)

■ウコンの過剰摂取は危険

 また、食事といえば、外せないのがお酒。夕食時は毎日、晩酌をする、という読者も多いことだろう。自身も左党だという、前出の秋津氏は、こんな健康習慣を実践しているという。

「食後の酒は歯止めが利かなくなるので、やめたほうがいい。推奨したいのは、お酒は食事をおいしくするための“食中酒”にすることです。アルコールの分解を手助けしてくれるビタミン類が豊富な、果物、チーズなどを一緒に食べると、悪酔いの緩和になります」

 また、二日酔い防止にはウコンが効くといわれるが、これにも注意が必要だ。

「ウコンは肝臓に効く漢方薬として認められ、飲酒時の肝機能を補助する作用があります。その一方で、ウコンは薬剤性肝障害の原因薬物として、最も多くの報告がされており、過剰摂取は危険です。服用して具合が悪くなったら、ひとまずやめて、病院で数値の検査をするなどしたほうがいい。肝臓にダメージを与えるというリスクを認識しましょう」

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