■適度な運動、1日の目標歩数は6000歩

 心地良い睡眠から目覚めたら、次は「運動」。コロナ禍において、愛好者が増えたのが、ランニングだ。20年には、過去最高の1055万人を記録したという(笹川スポーツ財団調べ)。

「よし、それなら俺も」

 そう思ったアナタ、ちょっと待ってほしい。

「ランニングはすべての年代を通して、最も突然死が多い運動なので、医師の立場からはオススメできません。特に中高年が、若いときの運動感覚で走ってしまうと、心臓への負担が大きく、死の危険すらあります」(秋津氏)

 では、中高年は、どんな運動をすればいいのか。

「まずはウォーキングを習慣化して、体を運動に慣らしてください。歩行運動ならば、体に過負荷をかけるオーバーワークのリスクもなく、安全に続けられます」(前同)

 厚生労働省では、成人の1日の目標歩数を8000歩程度としているが、中高年は6000歩で十分だという。

「40歳以上の米国人が対象の観察研究では、1日6000歩で、心血管疾患などの死亡リスクが低下したことが確認されています」(医療ジャーナリスト)

 ふだん、運動をしていない中高年なら、まずは1日6000歩が目安。

「特に高齢者は、それ以上の歩数だと、逆に体を傷めるリスクが上回ります。慣れてきたら歩数を増やせばOKです」(前同)

■消毒の仕方は?

 最後は、コロナ禍で習慣化された「消毒」について。感染症予防のみならず、高温多湿の夏は、食中毒予防としても薬用せっけんが重宝される。だが、その強力な殺菌作用が仇となることも……。

「薬用せっけんは、手の表面にある常在菌などを根こそぎ取り除くので、外からの雑菌が定着するスキを作り、逆効果です。手洗いによって、菌を完全になくすのではなく、良い菌と悪い菌がバランスよく存在している状態を保持するのが理想です」(秋津氏)

 1日に何回も手を洗うことが日常となった今こそ、正しい手の洗い方を身につけておきたい。

「まず、普通のせっけんを使用し、界面活性作用で手の表面にある油脂や汚れを浮かします。そして、軽く手をこすり合わせながら、流水で浮いた汚れを洗い流します。最後は、清潔な状態の紙タオルなどで水を拭き取る。これが正しい手の洗い方です」(前同)

 健康を維持するのに重要なのは、正しい情報を得て、実践すること。ぜひ、参考にしていただきたい。

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