■深刻な“紅白離れ”で視聴率は年々下落

 2021年の『紅白』の第2部の世帯視聴率は34.3%で、2部制となった1989年以降で過去最低だった。

「2020年は40.3%、2019年は37.3%でした。2020年は40%超えでしたが、このときはの活動休止前のラストイヤーでしたから注目度が高かったんです。ただ、近年は目玉不足で視聴率は明らかに下落傾向にある。出演陣も特に演歌系は毎年代わり映えしませんし、若者の“紅白離れ”も顕著ですよね。

 たしかに30%を切るというのは、前田会長が改革を断行しても仕方がないような数字でしょう。前田会長は“歌合戦”という対決形式をやめたがっているともささやかれています」(前出の制作会社関係者)

■「歌合戦」ではなくなってしまう?

 2021年の『紅白』は「ダイバーシティ(多様性)」や「ジェンダーフリー(男女平等)を意識し、「Colorful~カラフル~」がテーマに。これに合わせ、紅組司会、白組司会、総合司会と役割を明示して分けることなく、「司会」に呼称を統一した。

「男女別で紅白に分かれての対戦形式、というのは昨年も継続でした。ただ、LGBTなども絡んできますし、性別の線引きが曖昧になりつつある今、“男女の対決形式というのもどうなのか”ということですよね。

 そのため、前田会長は『紅白』を『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)などのように“大みそかの大型歌番組”に変えてしまうのではないかと言われているんです。ただ、当然、現場には“伝統の『紅白』を残したい”という人も少なくありません。

 ということで、“何とか目玉を持ってこないと”ということになっており、“明菜さんにはどうしても出演してもらわないと”という思いが強いそうなんです。それが叶わないようであれば、退任直前の前田会長による“最後のぶっ壊し計画”が現実のものになってしまうと、制作陣は戦々恐々としているようですね……」(前同)

 多くのファンが熱望している伝説の歌姫・中森明菜の復活の可否は、『紅白』の命運も左右することになるのだろうか――。

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