■後継者候補の「本命」として立川志らくが浮上するワケ

『日刊ゲンダイ』によれば「落語協会は春風亭一之輔(44)推し」「三遊亭円楽の所属している『一門会』から入れるべきだが人材不足」「日テレとしては林家木久扇(84)も降板させて40代で固めたい」ということで、波乱が避けられない状態とのことだ。

 いったい誰が、円楽師匠の“後継者”になるのか――。現役の噺家が、声をひそめてこう話す。

「こうした報道が出る前から、落語ファンは誰々が後継者になるんじゃないか、という話題でもちきりでしたね。

 円楽師匠の席を埋める落語家、まず“本命”は、過去に公然と『笑点』を批判していたものの、今年5月15日と22日に、当時脳梗塞のリハビリで休養していた円楽師匠に代わり、35年以上の落語家人生で初めて『笑点』に出演した落語家の立川志らく師匠(58)ですね」(以下、噺家同)

 5月5日の『日テレNEWS』のインタビューで、志らくは円楽さんについてのエピソードを語っていた。志らくは、若い頃から『笑点』を批判しまくりで、同番組に苦言を呈する内容の本を上梓した後に、『笑点』メンバーと新幹線で一緒になり「誰も口をきいてくれない」気まずい雰囲気だったというが、

《円楽師匠が「俺きょう、おいしいあんパン買ってきたんだ」ってみんなに配り始めた。私がぼんやりしていたら「志らく、お前も食うかい?」ってくれたんですよ。その時に涙が出るほどうれしくて、なんて心の広い人なんだろう。心の中で笑点の悪口言ってすみませんって、ずっとそんな円楽師匠に対する感謝の気持ちがあるんで、円楽師匠がこういう状況ならば(笑点出演の)オファーを受けるべきだと思って出ることにしました》

 と志らくは話していた。そのため円楽さんの訃報について10月3日放送の『ひるおび!』(TBS系)で、

《円楽師匠、洒落がキツすぎます。あんパンの恩返しもまだしていないし。圓生にだってまだなっていないし。落語界を統一するはずだったし。円楽師匠とはまだまだやらなきゃいけないことがあったのに。「志らくは俳句も落語も破調だな」と言われたことが忘れられません。ちょっとまだ心の整理がつかないです。》

 と、「あんパン」について再度言及していた。

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