日本が誇る2大ホームラン王!「56号達成」村上宗隆と王貞治「驚愕伝説」【画像】村神様&世界の王「規格外すぎる大打者伝説」の画像
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 日本が誇る“本塁打のレジェンド”を超えた“燕の若き長距離砲”。球史に残る強打者2人を完全解剖!

 日本人選手の最難関である“55本の壁”を、ついに東京ヤクルトの主砲・村上宗隆(22)が乗り越えてみせた。

「10月3日のシーズン最終戦、最終打席で打った瞬間に分かる超特大の1本、56号を放ちました。村上は三冠王も確定し、まさに打者としての頂点をきわめたシーズンになりましたね。

 助っ人勢以外のシーズン50本塁打は、2002年の松井秀喜以来、実に20年ぶり。50本超えは、日本の選手ではわずか5人。“世界の王”王貞治でさえ、到達は3度しかない大台です。しかも、55本の金字塔を打ち立てた1964年に、王は24歳。村上は、それを2年も更新しての快挙達成ですから驚くばかりです」(スポーツ紙デスク)

 そんな村上が見せる今季の快進撃を、現在はソフトバンクの会長を務める王氏も手放しで絶賛。58年を経て現れた“後継者”にエールを送る。

「王さんは、ある試合後に村上が“ボールを押し返すように打てたのが、よかった”とコメントしたのを知って、“彼は本物だ”と確信したそうです。“押し返す”は引きつけてから球を捉えていることの証。飛距離が出る打撃を、ちゃんと理解していると王さんも察したんでしょう」(スポーツジャーナリスト)

 今回は、そんな新旧スラッガー2人を、さまざまな角度から徹底比較。関係者の証言を踏まえつつ、“伝説”の数々をひもといていこう(以下、文中一部敬称略)。

■打者としてのタイプの違い

 村上と王は、ともに高卒でプロ入り。同じ左の長距離砲、さらにチームでは不動の4番と、両者の共通点は数多い。

 だが、ライト方向への打球が多い典型的なプルヒッターである王に対し、村上は全方位型。打者としてのタイプは大きく違う。

 若手時代、現役晩年の王とプレー経験のある巨人OBの角盈男氏は、こう語る。

■打者共通の弱点インコースをさばく技術

「王さんの真骨頂は、打者共通の弱点とも言えるインコースをさばく技術。相手ベンチが、攻略法の一つとして“一本足になるタイミングで膝元を狙え”と指示してたのは有名な話だけど、ほとんどの投手は、それでも、まったく止められなかったわけだからね」

 とりわけ“55本”の64年シーズンの王は、あらゆる対抗策をモノともしない、文字通りの無双状態。かの400勝投手・金田正一でさえもが、「ワシが打者の研究をしたのは王が初めて」と舌を巻いた。

「金田さんは、王を一本足転向後もカモにしていましたが、この年に限っては、同一打者からのシーズン最多被本塁打のタイ記録となる7本を浴びている。一本足打法に迷いを見せていた王の背中を“おまえはアホか”と押した張本人でもあるだけに、やはりプライドもあったんでしょう」(当時を知る元記者)

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