■川口春奈と鈴鹿央士が生み出す独特な空気感

 主役の紬を演じる川口春奈(27)は、恋をしている女性を演じていると、大変かわいらしい顔を見せる。『着飾る恋には理由があって』(21年/TBS系)で、恋人の駿(横浜流星/26)と一緒にいるときに見せる甘い感情が乗ったような表情と、その空気感がとてもよかったのを思い出す。仕事と恋に悩みながらも、前向きなところがとてもすてきだった。

 今作では、高校時代に本気で好きだった恋人に再会することで、心に残っていた気持ちが再び動き出してしまうという、苦くて切ない感情を雰囲気から作って見せてくれそうだ。

 また、紬の現在の恋人・戸川湊斗を鈴鹿央士(22)が演じる。鈴鹿央士は、穏やかな雰囲気で優しい話し方をするのだが、『ドラゴン桜』(21年/TBS系)では成績優秀ゆえに同級生を見下し、周囲からも家族からも浮いた人物を嫌みたっぷりに演じていた。

 話題作となった『六本木クラス』(22年/テレビ朝日)では御曹司の次男として生まれたことを自覚し、自分の立ち位置や生き方を見つける青年を好演していた。今作では、高校時代に好きだった紬と親友・想を繋げてしまうくらいに心優しい人物を演じるのだが、どんな表情を見せてくれるだろう。

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