■クロサギへの期待が高い理由

 TBSの木曜10時は歴史と伝統あるドラマ枠であり、名作揃いだ。昨年冬に放送された『最愛』は、ギャラクシー賞はじめ、数々の受賞と多数のメディアで高評価がつけられた。この放送枠で主演を務めるのは名誉なことだが、それだけの重責をともなう。

 TBS側も力を入れていて、今作を秋ドラマ3作品のひとつとしており、赤坂駅や渋谷駅での広告宣伝をはじめ、『クロサギ』単発で電車中吊り広告を出稿している。平野が1億円のお札になったビジュアルは、本人が「夢はお札にのること」と公言していたことから生まれたもので、ユーモアあふれるデザインが話題になっている。

 また、キャストも豪華だ。検事志望の大学生・吉川氷柱を黒島結菜(25)、詐欺界のフィクサー・桂木を三浦友和(70)が演じる。桂木は黒崎にとって詐欺の師匠的な存在で、父親のようでありながら、仕事の相手として一線を引いているという複雑な関係だ。

 また、特別出演で船越英一郎(62)が吉川氷柱の父親役として出演する。平野自身、友人は一般人のおじさんが多いというエピソードや、事務所の社長だったジャニー喜多川氏を父親のように慕っていたこともあり、年齢差のあるベテラン俳優とガッツリ芝居をする平野が見られるのも、ひとつの楽しみである。ドラマのスタートが待ち遠しい。(文・青石 爽)

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