■今年は「ゆっくり系」のコンビが多数、優勝候補は……

『M-1』の決勝戦は、生放送中の笑神籤(えみくじ)というクジ引きで出演順が決められる。この出番の順序が、審査に大きな影響を与える可能性があるという。

「配信で準決勝を見た限り、ゆっくり系のいくつかのコンビはネタの構成が似ていたんですよね。もちろん具体的な内容は全く違うんですが、審査員から見て“この人たちもゆっくり系だし、構成が似ているな”と思われたら危ない。ゆっくり系のコンビが続いたあとの5、6番目あたりにウエストランドさん、さや香さんのようなスピード感があるネタが披露されたら、爆発する可能性もある。

 ただ、逆もまたしかりで、1,2番目でスピード感があるコンビが終わってしまうと、その後、ゆっくり系のコンビは、全員印象が残らずに流れてしまうことも想定できますね。僕は“お笑い”には緊張と緩和が大事だと考えています。直前にネタを披露したコンビとスピードが違うと"おっ、なんだ?”と引きつけることができる。やはり、台本がどれだけ良くても出順に大きく影響されますね」

 そんな今年のM−1で、新道氏が優勝候補として挙げるのが真空ジェシカだ。真空ジェシカはガク(32)と川北茂澄(33)のコンビで、『ラヴィット!』(TBS系)などの出演などでも、人気を博している。

「真空ジェシカさんは、ゆっくり系の中でもボケが多いので、1つのボケがウケなかったとしてもベルトコンベヤーのようにすぐに次が来る。仮に会場が温まらないまま、ゆっくり系の漫才が全て横並びのウケ具合だった場合にどこが評価されるかというと、“ネタの中でいかに多く手数が打てているか”という点ではないかと思います。そのため、今年は真空ジェシカさんが優勝するのではないか……と思いました」

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