■直接くる厳しい批判は「まったく気にならなくなりました」

――インスタグラムを開設したら、麻雀の打ち方などについて直接、厳しい意見がくるようになってしまったんですよね。1年半くらい前のインタビューではとても心に応えているとありました。現在はどうですか?

「あれは自分が稚拙でした。そんなものに対していちいち反応している自分が稚拙だったな、と」

――1年半でだいぶ変わられたんですか?

「はい。まったく気にならなくなりましたね。今はほとんど来なくなったというのもありますが。まあ自分に比べたら“なんでこの人がこんなに叩かれてるの?”という人が世の中にはたくさんいるなか、雑な言い方ですけど、たかだか麻雀の勝った負けたで“あんな一打を打ってるからダメなんだ”みたいなことを言ってくる人を意識するのは、時間とメンタルの無駄だなと思って。

 応援してくれている人の方が圧倒的に大事だなと。でも、10の“頑張ってください”より1の悪口の方が気になるものなんですよ。だからこそ、たった“頑張って”をもっとちゃんと考えようって思えるようになったというか。

 逆に、事細かに打牌の指摘してきたり、僕の存在を否定するような人たちは、逆に何も考えてないんだろうなって思うようになりましたね。そういう人たちは、どうせ勝ちだしたら黙りますから。ただそれだけのことなんですよね」

――なるほど。12月19日のインタビューでトップを取られた際、その前のときにラスでインタビューを受けていたときとほとんどテンションが変わっていないことに驚きました。“やった!!”みたいな感じなのかなと思っていたら、最初にチームメイトへの感謝の言葉を語られて。萩原さんは、以前とは違う領域に行かれたような感じもしますが……。

「インタビューは本音と建て前をどう組み立てるか、みたいなのを僕は常に考えていて。“嘘はつかない”“思ってもないことは言わない”は前提にして、建て前って言うのは嘘とかそういう意味じゃなく“どういうふうに伝えられるか”です。自分が思っている本音を、どういうふうに伝えられるかを、常に考えています。“トップ取ったとき何しゃべろうかな”とか。

 でも、僕はあまり麻雀の話をするのは好きじゃないんですよ。“あの局面はああだったな、この局面はこうだった”をインタビューでしゃべるのはあまり好きじゃない。それよりも、見てくれている人、応援してくれている人に対して何が伝えられて、“次も応援しよう”って思ってもらえるかを考えながらしゃべることが多いですね。

 でも、あの日(トップを取った12月19日)は、自分の中では一番悪いインタビューでしたね」

――どうしてでしょうか?

「抑えてはいましたがやっぱり高ぶっている、嬉しいというかホッとした感じ。上手くまとめて話せませんでした。ちょっととめどない感じになっちゃったかなと思って。

 でも、僕よりも喜んでくれている人たちがいるのが良かったですね。あの日は黒沢(咲、雷電のチームメイト)だったり本田(朋広、同じく雷電のチームメイト)だったり。瀬戸熊さん(瀬戸熊直樹、雷電のチームメイト)は不在でしたけど、僕より喜んでくれました。

 あとはユニバース(雷電のサポーター)のみんなも喜んでくれていたし。僕はトップを取るのが仕事で、取らなきゃいけないので、みなさんが“トップありがとう!”って言ってくれるのは嬉しいですけど、それを当たり前にしなきゃいけないことなのに、ずっとできなかったわけです。それでもむしろ応援してくれている人への“ありがとう”の方が圧倒的に大きいですよね本当に。

 だから“自分の力でトップ取りました! うれしーっ!!”っていう感覚じゃないんですよね。もちろん現実として嬉しいですが」

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