■ジャンボ鶴田のバックドロップは危険すぎた
8位はジャンボ鶴田の「バックドロップ」。鶴田は「(危険なので)相手によって落とす角度を変えている」と公の場では話していたが、天龍源一郎や三沢光晴に対しては、本気で放っていたという。
「五輪コンビ(鶴田&谷津嘉章)と龍原砲(天龍&阿修羅・原)のタッグ戦では、バックドロップを連続で喰らって立ち上がれない天龍の髪の毛をつかんで無理やり引きずり起こし、3発目のバックドロップ。天龍が失神した場面は強烈でした」(プロレス専門誌記者)
■リック・フレアーを手本に
7位には先だって引退した武藤の「足四の字固め」が入った。UWFインターナショナルとの対抗戦で、高田にドラゴン・スクリューからの足四の字固めで勝利したことで、武藤の必殺技の一つとなった。
武藤は、アメリカ遠征時代に対戦した“四の字固めの名手”リック・フレアーを手本にしたという。
〈毎日のようにフレアーと戦っていた頃、“足四の字固めひとつで試合を組み立てるなんてすごいな”と思っていたからね。高田戦で足四の字固めに説得力が生まれたおかげで、ムーンサルトプレスで膝にダメージが蓄積していた俺の選手生命が長持ちしたよ(笑)〉(『EX大衆』2023年3月号より)
足四の字固めの“元祖”はザ・デストロイヤーだが、「彼の場合は、クロスした足の上に自分の膝の裏を乗せて体重をかけていたので、より強力だったはずです」(前出の田中氏)
■馬場と猪木をフォールした“唯一のレスラー”
6位は天龍源一郎のパワーボム。天龍はこの技で馬場と猪木をフォールした“唯一のレスラー”になった。ただ、越中は天龍にはパワーボム以上に「“痛い技”がある」という。
「天龍さんのチョップは本当に痛かった! 最初は胸板を打ってくるけど、途中から喉仏を狙ってくるんです。あれはシャレになりませんよ」(越中氏)
5位は、長州力がデビュー戦から使っている「サソリ固め」がランクイン。
「メキシコから凱旋帰国して藤波辰爾との抗争が始まると、サソリ固めが必殺技になります。格闘技スタイルのUWFインターナショナルとの全面対抗戦では、サソリ固めで安生洋二をしとめ、試合後に“キレちゃいないよ”という名言を残しました」(前出の記者)
安生戦でのサソリ固めには、長州のプロレスラーとしてのこだわりがあったという。
「いつもの試合ではラリアットへの“つなぎ”としてサソリ固めを使うことが多かったんですが、Uインターとの対抗戦は3カウントではなくギブアップを奪うことで、新日本プロレスが上であることを示す必要があったんです」(田中氏)