■徳光和夫の『ズームイン!!朝!』には勝てなかった
草野仁初の民放番組『朝のホットライン』は、同時間帯の民放で2位の視聴率をキープした。
「ただ、徳光和夫さんの『ズームイン!!朝!』(日本テレビ)だけは抜くことができませんでした。あの番組は、札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡など系列各局が、その土地の最新ニュースを伝える構造でした。出演者が一つの方向を向き、強い生命力を生み出している。私たちの番組には、それが欠けていました。『朝のホットライン』は5年で終わりますが、つくづく感じたのは、“視聴者が望むものの、核心部分を、きっちり放送できる番組であるべきだ”ということでした。
■『ザ・ワイド』で教訓が生きた
その教訓が生かされたのが、3年後に日本テレビのお昼の枠で始まった『ザ・ワイド』です。この番組は従来のワイドショーのような芸能スキャンダル中心ではなく、社会のニュースに斬り込む内容で、私も企画に積極的に参加しました」
『ザ・ワイド』は、旧統一教会問題を鋭くえぐり、さらに翌年以降に発生したオウム真理教による一連の事件の核心に迫っていくことになる。(次号につづく)
■草野仁 略年表
くさの・ひとし 1944年2月24日生まれ。満洲・新京出身。テレビキャスター。1967年にNHK入社。主にスポーツアナウンサーとして活躍し、85年にフリーとなる。現在は、『世界ふしぎ発見!』(TBS系)、『太陽生命Presents 草野仁の名医が寄りそう!カラダ若返りTV』(BS朝日)などに出演中。