■除湿の方が電気代が高い場合も

 見直したほうがいい節電術は他にもある。それは、「エアコンは、つけっぱなしがお得」というものだ。

「空調メーカーの『ダイキン』によると、9時〜18時の間に35分以上、18時〜23時の間に18分以上の外出をする際は、切ったほうが節電になるというデータがあります」(前同)

 梅雨のジメジメした気候では、エアコンの「除湿」を使う人も多いだろう。

「除湿は冷房よりも節電になる」という説もあるが、これも間違い。

「実は、除湿より冷房のほうが湿気を多く取り除けます。除湿運転は、室温をあまり下げずに湿気を取り除くのが特徴で、冬の部屋干しなどで活躍する機能。機種によっては、冷房運転より電気代が高いので、あえて使う必要はありません」(前出の和田氏)

■室外機にも注意

 さて、エアコンで部屋の空気を冷やしたら、それをキープすることも、節電には極めて重要となる。

「カーテンを閉めて、直射日光が部屋に入らないようにしてください。すると、30度設定でも快適な室温が維持できます」(丸山氏)

 実は、意外だが、「エアコンの室外機」も、日差しを避けることで節電につながるのだという。

「室外機の上にひさしを作って日光が当たらないようにすると、冷房機能が向上します。ただし、木の枠などで室外機を直接囲うのは逆効果。熱風が排出されず、冷房が効かなくなるので要注意です」(前同)

■フィルター掃除は2週間ごとに

 間違ったエアコン節電術がある一方、定説となっている「こまめなフィルター掃除」は、電気代節約の最重要事項。2週間に一度をめどに、確実に行いたい。

「『ダイキン』は、エアコンのフィルターを1年間掃除しないと、約25%の電気代のムダになると発表しています。フィルターがホコリで目詰まりを起こして、冷房の効きが悪くなるそうです」(前出の経済誌記者)

 ちなみに、“おそうじ機能”がついたエアコンでも、過信は禁物だという。

「エアコンのおそうじ機能のほとんどは、フィルターのホコリを取り除くだけ。取り除いたホコリをためるダストボックスの清掃が必要ですし、タバコの煙、料理の油煙などの汚れは落ちませんので、定期的に清掃してください」(和田氏)

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