■モンテッソーリ教育の幼稚園に通って

「藤井さんは、モンテッソーリ教育を行う幼稚園に通っていました。この、モンテッソーリ教育とは、簡単に言えば“夢中になったものを、とことんやらせて能力を引き出す”というもの。天才を生み出すことで有名です」(前出の全国紙記者)

 かのビル・ゲイツ氏や、『アマゾン』創業者のジェフ・ベゾス氏も受けたというモンテッソーリ教育。ここで藤井少年は、“とことん”を学んだようだ。

「藤井さんは幼稚園時代、色紙を組み合わせて作る『ハートバック』制作に没頭。毎日、なんと100個以上も作っていたそう。小学生になって、将棋や得意科目の地理の勉強に没頭した際にも、夕食の時間も中断させず、そのまま続けさせたそうです」(前同)

■「三つの教え」

 このように、2人の天才少年は、自分の好きなことを見つけ、没頭していった。ただ、そこで両者が学んだのは、野球と将棋の技術や知識だけではなかった。

 幼少期の藤井が将棋を学んだ『ふみもと子供将棋教室』の文本力雄氏は、こう振り返る。

「教室で最初に教えるのは、(1)脱いだ靴をそろえること、(2)大きな声であいさつ、(3)駒磨きや駒の消毒、掃除をしっかりすることの三つです。将棋の定跡なんかを学ぶのは、それからです」

 つまり、礼儀作法の大切さを教えているわけだ。

「どの子も最初はできません。でも一度教えると、できるようになる。家で靴をそろえなくても、教室でやっていれば、習慣になるんです。聡太も初めはできませんでしたが、教えて理解させたらできるようになりましたね」(前同)

 そして大谷もまた、「三つの教え」を忠実に守っていたという。それは小学生時代、父の徹さんから与えられたものだった。

「(1)大きな声を出して元気よくプレーする、(2)キャッチボールを一生懸命にやる、(3)最後まで全力で走る、徹さんはいつも繰り返しこの三つの心がけを説いていたそうです。大谷の全力プレーは、ここから生まれていたんですね」(前出のスポーツジャーナリスト)

 野球を続けるうえでは、何より、基本を大事に、手を抜かず、諦めずにやることが大事そんな思いが込められているのだという。

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