■食生活の改善を

 さて、今は症状とは無縁であっても、いつ突然死を引き起こす病に襲われるかは分からない。やはり、ふだんの生活から予防に努めたいものだ。

 菅原氏、齋藤氏の両者が口をそろえるのは、「食生活の改善」だ。脳と心臓の病は、ほぼ血管が関わっている。つまり、食事で血管を健康にする必要があるのだ。

「中でも、血管をボロボロにしてしまう、高血圧は大敵。上の血圧が135、下の血圧が85を超える人は、厚労省が提唱する“1日7.5グラム以下の塩分摂取”を目標にした食事にシフトしてください」(菅原氏)

■不摂生をやめる

 当たり前のことだが、突然死を遠ざけるには、やはり不摂生をやめるのが一番なのだ。

「大動脈解離から回復した後、医師からは水をたくさん飲む、野菜を食べる、塩分を控えることを指導されました。野菜が好きじゃないので野菜ジュースを飲んだり、飲酒後にはたくさん水を飲んだりと、今も気をつけています」(大木さん)

■風呂もトイレも危険スポット

 また、寒くなるこれからの時季は、「ヒートショック」にも注意したい。

「寒い脱衣所や浴室から、熱い湯船に入ると、急激な温度差で血圧の急上昇が起き、突然死を起こすケースも多い。風呂に入るときには、浴室まわりを十分に暖めてください」(齋藤氏)

 また、大木さんのように、実は「トイレ」も危ない。

「急に立ち上がったり、排便時にいきんだりすると、胸に圧がかかり、血圧が乱れます。トイレは、ゆっくりすませてください」(前出の医療ジャーナリスト)

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