●「にほん」か「にっぽん」正解は!?
答えは、どちらも可。併用が認められている。たとえば、野球の
「日本シリーズ」のときは「にほん」と読み、紙幣の「日本銀行券」の場合、「にっぽん」と読む。ただ、「本」の字の古い音は「ぽん」であるため、「にっぽん」が語源的には古く、「日本」が国号に決まった当時の人は、そう発音していた可能性がある。
しかし、時代とともに「にほん」の読み方が増え始めたといわれる。その際の例としてよく使われるのが豊臣秀吉。百姓上がりの彼は漢字まじりの平仮名で手紙を書くことが多く、「日本」を「二ほん」と書いている。
漢数字の「二」に 「ほん」だから明らかに「にほん」だ。江戸時代になると、さらに「にほん」が増え、「にっぽん」との併用が進んだとされる。
■【大化の改新のクーデター/壬申の乱】
大化の改新は中大兄皇子(のちの天智天皇)らがクーデターで蘇我入鹿を殺し、有力豪族の蘇我氏本家を倒して天皇専制へ道を開いたとされる事件(645年)。壬申の乱は天智天皇の死後、大海人皇子(のちの天武天皇)が大津の朝廷に反乱し、政権を奪い取った内乱(672年)。
跡部蛮(あとべ・ばん)1960年、大阪府生まれ。歴史作家、歴史研究家。佛教大学大学院博士後期課程修了。戦国時代を中心に日本史の幅広い時代をテーマに著述活動、講演活動を行う。主な著作に『信長は光秀に「本能寺で家康を討て!」と命じていた』『信長、秀吉、家康「捏造された歴史」』『明智光秀は二人いた!』(いずれも双葉社)などがある。