■小西博之「萩本欽一の言葉」

「僕の場合は、腎臓がんと診断された2005年、担当医から“余命何年というより、すぐに死んでもおかしくない状態で、言ってみれば余命ゼロです”と宣告されたんですよ」

 こう語るのは、『欽ちゃんの週刊欽曜日』『ザ・ベストテン』(いずれもTBS系)の司会者として人気だった俳優の小西博之(64)。04年秋、食欲、性欲、睡眠欲がなくなり異変に気がついた。体重も約20キロ落ち、12月に突然、血尿が出た。病院で調べると、腎臓に巨大な腫瘍があることが分かった。“余命ゼロ”は、このとき言われたのだが、「その頃は、まだ40代前半ですからね。夜になると、死が目前なんだと涙がポロポロ出るんですよ」

 こんなとき、ふと思い出したのが、20年以上師と仰いできた萩本欽一(82)の言葉だった。

「人生は幸せと不幸が交互にやってくるんよ。不幸を嘆いて落ち込んでもいいけど、その不幸を拒絶しないで、しっかり受け止めなさい」

 悲しみの中、この言葉で「がんも自分の細胞だ、よし治療に専念しよう」と気持ちを切り替えたという。

■保険の重要性

 05年2月の手術は左の腎臓とリンパ節の切除、加えて肺の肋骨を2本切断する大手術となった。術後の痛みをこらえながら、病院内ウォーキングなどのリハビリをこなした。

「タバコをやめて酒も控えました。運動もしっかりやるようになったんですよ。それに気持ちを上げるため、退院すると、部屋中に“元気になって○ ○をするぞ~”なんて張り紙を掲げたものでした」(小西氏)

 病魔を完全に振り切った小西氏は、「がんにならないためには検診をしっかり受けること、がんになったときに困らないように、がん保険に入っておくこと」を勧める。

「手術代はけっこう高額です。僕も、たまたま保険に入っていたおかげで、なんとか対応できました」(前同)

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