■光免疫療法など治療の進化

 がんにかかる人は増加しているが、一方で、死亡率は年々、下がり続けている。

「例えば、20年に世界で初めて日本で承認され、21年に保険適用となった、光を当てて、がんを治す光免疫療法など、がん治療の進化は著しい」(前出の医療関係者)

 がんは、もはや“不治の病”ではない。多くの有名人がそうであったように、諦めなければ勝利が待っている 。

■手軽で安い「がん検査」のススメ

 病院で受けるがん検査は、バリウム検査や内視鏡検査など、苦痛が大きいうえに時間のかかるものが多い。しかも症状のない人が受ける場合は基本的に自由診療なので費用も10万~20万円と高額。

 そんな中、意外ながん早期発見法が注目を浴びている。それが体長1ミリ線虫を使った検査法だ。線虫は胃や大腸、すい臓など、消化器がんの匂いに95%以上反応し、その精度は腫瘍マーカーなどを大きく上回る。検査は簡単で、尿を検査機関に郵送で提出するだけ。検査費用も1万4000円程度だ。

 がんの匂いに反応するように訓練された「がん探知犬」を使う検査法もある。犬の特殊な嗅覚を利用し、医療機関でも発見が難しい早期がんを、ほぼ100%で探知。検査は尿や呼気を提出するだけでよく、料金は3万円程度だ。日本医科大の宮下正夫教授が研究を進め、「ドッグラボ」という会社が、この検査を行っている。

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