Q.経験者が口をそろえて言う「過酷さは日本の比ではない」。何が、どう大変?

 まずは、移動距離の長さ。アメリカの国土面積は日本の約25倍。トロント・ブルージェイズのようにカナダに本拠を置く球団もあり、

「チームによっては1シーズンの総移動距離が地球2周分(約8万キロ)に達することも」(同)

 そのうえ、日程は約180日間で、日本より多い162試合をこなす超過密。場合によっては、20連戦といった強行軍もザラにある。

Q.制度やルールに日本との違いは他にもある?

 試合短縮を目的に昨季から導入された“ピッチクロック”は、日本でも話題。

 マウンドの投手は、構えてから15秒以内(走者のいる場合は18秒以内)に投球動作を完了しなければ、ペナルティで1ボール。

 同時に、打者もピッチクロックの残り8秒以内に打席に入らなければ、1ストライクが勧告される。

「他に、極端な守備シフトやワンポイントリリーフの禁止。また、本塁を除くベースが大きくなりました。

 とりわけ後者により、大リーグ全体の盗塁数は激増。アトランタ・ブレーブスの主軸ロナルド・アクーニャJr.(26)に至っては、史上初の40本塁打&70盗塁を達成。ナ・リーグMVPに輝いています」(同)

 また、バッテリー間のサイン伝達には無線機器“ピッチコム”の使用も可能。ベンチでのタブレット使用も、厳格な管理下で許可されており、大谷も活用中だ。

Q.ダブルヘッダーがやたら多いのは、なぜ?

 ズバリ、あらかじめ決まっている閉幕日に合わせて日程の消化を優先するため。

 地区優勝やポストシーズン争いに影響するといった特段の事情がない限り、未消化の試合はキャンセルされるのが通例で、複数のチームが“完走”できなかったシーズンも実際ある。

Q.個性豊かな大リーグ球場。そのトレンドは?

 日本での知名度でいえば、左翼にそそり立つ

「グリーンモンスター」で知られるレッドソックスのフェンウェイ・パークが出色。

 ドジャースとの関係の深さでは、同地区ジャイアンツの本拠地オラクル・パークは、右翼後方の湾に直接飛び込む

「スプラッシュ・ヒット」が代名詞。

 ダイヤモンドバックスのチェイス・フィ―ルドは、右中間後方に完備のジャグジープールも大人気だ。

「美しい球場として知られるドジャースタジアムも今や3番目に古い。近年は、外野の後方にビル群を望む街中にボールパークを作るのがトレンドです」(同)

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