■女性2人組に声をかけると

 バーカウンターで先に並んでいた、ノースリーブの白いニットのマキさんと、黒いミニスカートにブーツ姿のサキさん(ともに49・仮名=以下同)の2人組に声をかけてみた。

「若い頃はよく、芝浦とかウォーターフロントの店で遊んでたの。最近、またディスコが流行っていると聞いて、当時を思い出したくて来てみたら、それからハマっちゃって。ほぼ毎週末に、サキと来るようになっちゃった」(マキさん)

◆ジュリアナ東京の定番アイテム「ジュリ扇」

 一方のサキさんの手には、伝説のディスコ『ジュリアナ東京』で定番アイテムだった羽根扇子(通称:ジュリ扇)が。聞けば、わざわざ通販で取り寄せたという。

「ここのディスコは、お立ち台もあるから、ビシッとオシャレをして遊びたいんです。こないだなんて、オープン直後から終電まで、6時間くらい居座っちゃった(笑)」(サキさん)

◆黒いボディコンスーツで

 さすがに昔と違って体力が続かず、踊りに疲れるとVIP席でくつろいでいたという。

 港区に住むユリコさんは、「80年代の前半に六本木でブイブイ言わせてた」と笑うだけあって、60代とは思えぬほど黒いボディコンスーツがキマっていた。

「ディスコっていっても時代によって曲や雰囲気は違うんだけど、この店は、いろんな時代のいいとこ取りだよね。

 さっき、荻野目(洋子)ちゃんの曲がかかっていたけど、私の頃は邦楽はかけられなかったな。お立ち台もなかったし。でも、家から近いから、つい遊びに来ちゃう」(ユリコさん)

■30代の女性やアメリカ人カップルも

 その他、昭和レトロブームをきっかけに訪れたという30代の女性や、東京観光で来たというアメリカ人カップルなど、多種多様な人でにぎわっていた『マハラジャ』。懐かしいバブル期の熱気に当てられた本誌記者は、満足感と、いささかの疲労を感じながらディスコを後にした。

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