■歌謡曲カフェLoversはメディアでも取り上げられ
次に訪れたのは、東京・鶯谷にある『歌謡曲カフェLovers』(台東区)。数々のメディアでも取り上げられた“昭和ディスコ”の代表的存在である。
この店のオーナー・北島慶一氏(67)に、話を聞くことができた。
「メディアで取り上げてもらったおかげで、30代から70代まで幅広い世代が遊びに来てくれるようになりました。中には、杖をつきながらダンスを踊る、おじいちゃんもいますよ」
◆平日はカラオケスナック
『Lovers』は、平日はカラオケスナックとして営業し、毎週土曜日の18時~24時は、『昭和サウンドディスコ』というディスコスタイルの営業をしているという。
店名の“歌謡曲”や、イベント名の“昭和”というワードにもこだわりがあるようで、「ディスコの本場と言えば新宿、渋谷、六本木ですが、歌謡曲の本場は浅草、上野などの台東区です。その歌謡曲にのって、下町の紳士淑女が気軽にディスコを楽しむ。そんな粋なお店にしたかったんです」(前同)
その言葉通り、『Lovers』の常連客は、ジーパンなどリラックスした格好が多い。ビシッとキメて行く、前出の『マハラジャ』では味わえないような親しみやすさがあった。
■開店前から客が並ぶ
とある土曜日の夕方に本誌記者が『Lovers』を再訪すると、開店前からすでに並んでいる客がいる。店内に入ると、鏡張りの壁と、ミラーボールで彩られた空間に、心地よいソウルミュージックが流れだした。
「DJブースでは、お客様のリクエストにもお答えしています。リクエストが多いのは、アース・ウィンド・アンド・ファイアー(EW&F)の『セプテンバー』や、アバの『ダンシング・クイーン』、ボーイズ・タウン・ギャングの『君の瞳に恋してる』などですね」(同)
北島氏自身も、日本のディスコを黎明期から知るディスコ通。往時を知る客のために選曲はこだわり、自らもDJとして“皿”を回しているという。