■初体験に目を輝かせて
建設関係に従事するタロウさん(59)と、医療従事者のカナコさん(39)のカップルは、そんな『Lovers』の雰囲気に魅了されたという。
「以前、男友達と来たら、すごく楽しくて、今回は彼女を連れて来たんだ。僕は若いときにディスコで遊んでいたんだけど、『Lovers』では、当時流行っていたスタイリスティックスの曲とかが聞けるから、青春時代を思い出せるんだよね」(タロウさん)
一方のカナコさんは、この日がディスコ初体験とのことで、「せっかく来たので、踊ってみたいです。恥ずかしいけど、お酒を飲めばハメを外せるかも」と、目を輝かせていた。
■麗しのチークダンスにオヤジ記者が挑戦
夜も更けた頃、店内が突然、薄暗くなり、ゆったりとしたBGMに切り替わる。チークタイムが始まった。
「チーク(頬)タイムとは、文字通り、女性が男性の首に手を回して、頬をくっつけ合って踊ること。気になる女性を誘って踊れば、一気に親密な関係になれますよ。もちろん、紳士的な態度はお忘れなく」(北島氏)
本誌記者も、勇気を出して女性客に声をかけ、チークダンスに誘ってみた。応じてくれたのは、メガネが似合うアキコさん(50代)。この日は、昭和のヒット曲が楽しめるとの評判を聞いて、来店したという。
「踊るつもりはなかったんだけど、大好きなミニー・リパートンの『ラヴィン・ユー』がかかっていたので、若い頃の思い出がよみがえって、“いいよ”って言っちゃった」(アキコさん)
むろん、過度にベタベタすることなく、英国紳士のごとく背筋をピンと伸ばしてダンスをした記者だった。
◆連絡先を聞いてみると
ムードが高まり、ダメもとで彼女さんに連絡先を聞いてみたが、「既婚者なので」と、あえなく撃沈。アキコさんは、女友達と夜の街に消えていったのだった。
かように、令和の中高年がナイト・フィーバーする昭和ディスコ。一度、訪れてみては?