大谷翔平「MLB三冠王」5つの課題と今永昇太「魔球フォーシームの秘密」の画像
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 アメリカ全土を熱狂させる2人の侍。快進撃が続く理由を深層レポート!“ショウタイム”は、終わらない!

 翔平に続き、昇太も 。日本人選手の“ショウタイム”が、開幕早々の大リーグで続いている。

「今季は打者専念のドジャース大谷翔平(29)は、5月8日現在で目下、打率&本塁打など“打撃8冠”と記録ずくめの好調ぶり。一方、カブスの今永昇太(30)も、ここまで5勝、負けナシで、防御率は1・08と両リーグトップです」(在京スポーツ紙大リーグ担当記者)

 投打で、侍の両雄が大活躍中なのだ。

「今永は3、4月の月間最優秀新人に加え、MLB公式サイトによる月間ベストナインにも、DHの大谷と並んで堂々、選出されています」(前同)

 早くも気になるのが、投打の主要タイトルの行方。とりわけ大谷には、大リーグ12年ぶり、ナ・リーグでは実に87年ぶりとなる三冠王への期待もかかる。

 そんな歴史的快挙の可能性は、どれほどか。今回は、そこに障壁として立ちはだかる“課題”を具体的に検証しつつ、投打に魅せる“ショウタイム”の秘密に迫りたい。

ライバルが多いホームラン王

 大谷と言ったら、まずは何をおいても本塁打。今季の2ケタ一番乗りが日本人初の快挙なら、4年連続2ケタ本塁打も、松井秀喜氏、福留孝介氏の3年連続を抜いて日本人最長。試合目での到達は、自己最多46本塁打を放った21年シーズンに次ぐハイペースと、現時点では、なんら問題はなさそうだが……。大リーグ評論家の福島良一氏は、こう語る。

「強いて挙げるならば、ア・リーグ以上にライバルが多いことが障壁でしょう」

 どんな強打者がいるのか。

「昨季のナ・リーグ本塁打王オルソン(30=ブレーブス)が54本、2位のシュワーバー(31=フィリーズ)も47本と、ともに昨季の大谷より本数は上。リーグ内には、デビュー1年目の19年に53本でタイトル獲得のアロンソ(29=メッツ)や、昨季史上初の40本塁打&70盗塁を達成のアクーニャJr.(26)=ブレーブス)もいますしね」(前同)

 となれば、2年連続&両リーグでの本塁打王のために、50発は欲しいところ。昨季は右脇腹痛で24試合を残して“終戦”しながら、本を放った大谷だけに、けっして不可能な数字ではなさそうだ。

 経験者の一人として、大リーグ中継の解説も務める藪恵壹氏も「普通にやれば届く」と、こう続ける。

「シーズン終盤に本数が伸びなくなる最大の要因は、大谷自身が勝負を避けられるから。その点、今季の打線には、彼の後ろにも、フリーマン(34)、スミス(29)と気の抜けない打者が複数控える。状況的に大谷との勝負は避けられない点が、昨季までと違います」

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