打点王はドジャースだからこその難しさ

 続いて、打点はどうか。8日時点ではトップのオズナ(33=ブレーブス)と7打点差の4位タイ。ただ、そこには強打者ぞろいのドジャースだからこその「難しさもある」と、前出の福島氏が指摘する。

「どこからでも点が取れる打線ゆえに、打点で一人突出するのは難しい。実際、昨季のドジャースは1番を打つベッツ(31)の107打点を筆頭に、マンシー(33)が105打点、マルティネス(36=メッツへ移籍)が103打点、フリーマンが102打点と、球団史上初めて、100打点超えが4人も出ているんです」

 強力打線だからこそ、同僚に打点を稼がれるのだ。

「今季のランキングも大谷のほか、ベッツ、マンシー、スミス、ヘルナンデス(31)の5人がトップ10入りをしています」(前同)

 むろん、「自分で本塁打を打てば、打点は自動的に付いてくる」(前出の藪氏)という見方もあるが、そこは“ワールドチャンピオン”を見据える常勝軍団。真に強いチームに表れる特徴があるという。

「ヤンキースなどもそうですが、大リーグ全体の傾向として、常勝チームほどタイトルホルダーは少ないんです」(福島氏)

 過去の獲得者を見ても、それは明らかだ。

「ここ10年のドジャースを振り返ると、打撃三部門でタイトルを獲得したのは、わずか2人。21年のシーズン途中にナショナルズから加入したターナー(30=現フィリーズ)が首位打者。その前は、引退したゴンザレスが14年に打点王を獲ったのみです」(前同)

 確かに、当の大谷も記者からの取材に「今年は数字をほぼ見ていない」とコメントするなど、成績自体にあまり関心はない様子。

「ドジャースにとって地区優勝は通過点で、“本番”は、あくまでポストシーズン。その意味でチームが首位を独走するなら、レギュラーシーズンの終了を待たずに主力を休ませる可能性だってある」(同)

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