え!?カルボナーラも人気商品??進化を続ける「つけ麺」大戦争

ブームを経て、今やすっかりラーメンの一形態として認知された「つけ麺」。
今日も進化を続けている。

「チーズと温泉卵の載った太縮れ麺を、厚切りベーコンの入ったクリームソースにつけて食べる"カルボナーラつけ麺"なんてメニューを出す店も増えています」(フードアナリスト)
こんなのマズイに決まってる。そう思い試食してみると、あら不思議……。
トロ~リとスープが麺に絡んでしょっぱウマい!

バリエーションも増え、なおもファン層を拡大するつけ麺。
1961年創業の東池袋『大勝軒』の山岸一雄氏が、考案したものだ。

「山岸氏が、独立して創業する以前の修業時代、残っていた麺を、スープと醤油を湯のみ茶碗に入れて浸して食べたまかない料理から着想を得て、完成させたものだそうです」(前同)

ちなみに、"つけ麺"という名称が最初に使われたのは、昭和40年代後期にチェーン展開された『元祖つけ麺大王』。
『大勝軒』ではずっと"もりそば"として販売されている。

つけ麺業界の転機は、21世紀に入ってすぐに訪れた。
1945年創業の老舗製麺所が2001年、高田馬場に『つけ麺屋やすべえ』を出店したのだ。

「『やすべえ』は、つけ麺の"大盛無料"というスタイルを定着させ、行列店となりました。これによって、『麺屋武蔵』でさえも"大盛同額"にせざるをえない状況となった。業界全体への影響力は、非常に大きかった」(グルメ誌記者)

ラーメンの麺は、普通盛りで150グラム程度だが、つけ麺は、250~300グラムと1・5~2倍の量が基準になっている店が多い。

「つけ麺は、麺が冷たく、つけダレにつけるのも一瞬。麺が伸びることなく、最初から最後までツルツルと食べられるため、麺が同量では食後の満足感が、ラーメンに比べて物足りなく感じるためと言われています」(前出・大崎氏)

店によって、つけダレの味わいはさまざまだが、
「酸味や甘みを効かせたものが多く、00年代中盤から濃厚魚介豚骨系が大ブームに」(前出・アナリスト)

現在は、その反動からか、湯島『天神下大喜』、お茶の水『大至』、蓮根『元』など、清湯系の細麺も人気。

「汁なし担々麺など"あえつけ麺"が注目されるのも、新しい動きです」(前同)
要するに、つけ麺は今も試行錯誤の真っ最中なのだ。

「麺の提供の仕方も、従来どおりの冷たい麺がいいのか、温かい"あつもり"がいいのか、答えは出ていません。それだけ可能性を秘めています。今後、思いもよらないつけ麺が飛び出す余地は大いにある」(同)

新しいつけ麺、出て来いや!

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