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映画『皆殺しのバラッド/メキシコ麻薬戦争の光と闇』監督に直撃インタビュー

2006年から2012年の間に12万人以上の死者を出したメキシコの麻薬カルテル同士の争いは、現在「麻薬戦争」と呼ばれている。

そんな麻薬戦争の現実を描いた映画『皆殺しのバラッド/メキシコ麻薬戦争の光と闇』が4月11日(土)から全国で劇場公開される。本サイトは今回、監督のシャウル・シュワルツ(Shaul Schwarz)氏にインタビューを行った。

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1970年代からメキシコではコロンビアのコカインをアメリカへ密輸する麻薬産業が発展し、麻薬カルテルは警察や政府機関を賄賂や脅迫で懐柔してきた。

2003年には元メキシコ陸軍特殊部隊隊長が同僚や部下とともに麻薬カルテルのロス・セタスを結成。軍隊レベルの装備と戦闘能力を駆使して周囲の麻薬カルテルと抗争を開始し、多数の死者が出るようになった。メキシコでは99%の犯罪が捜査もされず放置される。

そんな事態に業を煮やしたカルデロン大統領は2006年12月、麻薬密売人たちに戦線を布告し、ミアチョカン州に6000人の陸軍部隊を派遣した。しかし、これに対抗して各地に縄張りを持つ麻薬カルテルたちは武装闘争を開始。政府と麻薬カルテル同士の抗争は激化の一歩をたどり、現在でも一般市民を巻き込む大量殺戮事件が多数発生している。
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