福沢諭吉がカレーを初紹介!
さて、1-1の引き分け。次の勝負は【歴史】だ。
「カレーライスは、1700年代にインド料理を元にイギリスで生まれ、日本で発展した料理です。日本に初めて紹介されたのは福沢諭吉が"Curry(コルリ)"と記した、1860年出版の『増訂華英通語』。そして、調理法としては、1872年出版の『西洋料理指南』や『西洋料理通』に紹介されました」(グルメ誌記者)
カレーの普及に大きな影響を与えたのは、"軍隊"である。
「1873年、日本陸軍幼年学校では、毎週土曜日の昼食に"ライスカレー"を導入しました。さらに1908年、大日本帝国軍が、イギリス海軍で軍用食として食べられていたカレーのレシピをマネして、これを採用したんです」(前同)
そして戦後、復員した兵士たちが、各地でカレーを広めたという。
「加えて、第二次世界大戦後、全国的に学校給食のメニューにもカレーライスが採用され、よりカレーが一般に広がっていきました」(同)
ちなみに、現在の自衛隊にも、カレーを食べる習慣は続いているという。
「長期航海中に曜日の感覚を取り戻すためという理由もあり、土曜昼のカレーは日本海軍を経て、海上自衛隊にも引き継がれました。週休2日制となった現在は、金曜の昼に全部署でカレーを食べている。この"海軍カレー"が一番有名だが、陸上自衛隊、航空自衛隊でも、各部隊で独自のレシピのカレーがあり、基地の食堂などでも食べられるようになっている」(防衛省関連スタッフ)
海軍の街、横須賀ではやはりカレー店が多く、"カレーの街"を標榜。"海軍カレー"が大好物という本誌編集部員いわく、
「とろみがあって香りが良くて、適度にスパイシー。人参、ジャガイモ、お肉がコロコロしてて、オーソドックスなのに懐かしくて、なんだか絶妙にウマい……それが、海軍カレーです。というか、おいしい"普通のカレー"ですよ」
厳密な定義はなく、"いわゆるライスカレー=海軍カレー"というのが通説なのである。
レトルトでも多数販売されている"海軍カレー"。試しにチンして、いただきます……うほっ、レトロなしっかり味で、ああウマイ!
一方、牛丼の始まりは明治時代。19世紀後半とされている。
「牛鍋を丼飯にかけた料理"牛鍋ぶっかけ"が原型で、当時は"牛めし"と呼ばれていました。その後、"牛丼"と名付けたのは、1899年に東京・日本橋にあった魚市場に吉野家を創業した松田栄吉。3大チェーンの中では、松屋だけが今も"牛めし"という名称にこだわって使用していますね」(飲食店コンサルタント)
その松屋だが、創業者の瓦葺利夫が、1966年に東京都練馬区に「中華飯店松屋」を開業したのが始まりである。

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