これらの取材結果から、どうすれば寿命を延ばせるかをまとめると、まずは、“長寿の天敵”である活性酸素の発生を抑えることが先決となる。そして、長寿遺伝子のスイッチを「オン」にすること。長寿遺伝子は常に働いているわけではないからだ。この相乗効果で、確実に寿命は延びるはずだという。では、活性酸素の発生は、どう抑えたらいいのか。

 実は、活性酸素を発生させる5大元凶は次の通りだ。(1)紫外線(2)排気ガスなどの有害物質(3)宇宙線(4)煙草の煙(5)レントゲンなどの放射線

(1)から(3)は、外を歩けば必ず浴びてしまうもの。(4)の煙草は、禁煙すればいいというものではない。他人が吸った煙草の煙(副流煙)も元凶の一つだ。(5)については、「私の計算では、胸のレントゲンを毎年撮ると、肺がんのリスクは約2%高まります。活性酸素を抑制するためにも、レントゲンは避けたほうがいいでしょう」(前出の岡田氏)

 一方、長寿遺伝子を常に働かせるには、どうすればいいのか。「やはり、糖質制限が一番ですが、特に制限すべきは砂糖ですね。砂糖を食べると、長寿遺伝子はスイッチオフの状態になります。専門的に言うと、砂糖は長寿遺伝子を不活性化させるんです」

 こう語る白澤所長が問題視する砂糖とは、添加糖というもの。「これは、袋詰めされたパンや袋入りのスナック菓子類、デザート類といった、香料や乳化剤、人工甘味料を多く使用している超加工食品に含まれています。よく“甘いものは別腹”と言いますが、砂糖には常習性(麻薬性)があり、アメリカ人は、総カロリーの約6割を超加工食品から摂取しているんです。まず、これらの摂取を止めるべきです」(前同)

 長寿遺伝子のスイッチを入れ、活性酸素の発生を抑えることで、どこまで不老長寿に近づけるか。試してみる価値はありそうだ。

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