そう、たけしが目先の金に左右されるはずなど、ないのである。先日は、『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)で、山積する問題の裏に、“金と利権”のニオイがプンプンする、豊洲新市場の移転問題や東京五輪の会場問題を取り上げる中、「格差社会って言うけど、下品に徹したヤツが金儲けしてるだけのような気がしてさ。恥とか、そういうものも関係なく、“金持ってるヤツが偉いんだ”みたいな感じがしてさ」とブッタ斬ってみせ、多くの共感を呼んだ。

 では、たけしにとって“お金”とはどういうものなのか。数々の伝説から、その深層に迫っていきたい。まず有名なのは、その気前の良さである。「かつて、弟子のガダルカナル・タカは、“軍団は今まで殿に総額1億ぐらいは奢ってもらっている”と話したことがありますが、とても1億円では済まないのではないかと思います。なんでも最近も、事務所の若手ライブにひょこり顔を出し、ライブが終わると30人を超える芸人やスタッフを引き連れて高級焼肉店で打上げ。そのうえ、全員をタクシーで六本木に連れて行き、朝までカラオケでドンチャン騒ぎさせて、すべての会計を支払い、最後は、全員にご祝儀の入ったポチ袋を配って帰ったといいますから」(放送作家)

 しかも若手芸人への待遇は、どの事務所よりも手厚いことでも有名だ。「たけしさんの意向で、仕事がなくても所属芸人だというだけで、毎月最低10万円が振り込まれ、結婚すれは給料が上がるといわれていますよ」(前同)

 弟子のつまみ枝豆がたけしの付き人だった時代、たけしは枝豆がベンツを欲しがっていたことを知り、「お前、ベンツが欲しいのか? いくらくらいだ?」と確認すると、翌日、700万円を袋に入れて持ってきたという伝説がある。

「“いただけません”と枝豆が返そうとすると、たけしさんは“こういうのは買いたいときに買ったほうがいいんだよ”と言って受け取らない。枝豆は3日間、真剣に悩んだ末、あらためて“やっぱりいただけません”と返すと、たけしさんは“お前は返すと思ったよ”と優しく笑って、やっと受け取ったそうです」(お笑いプロ関係者)

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