また、弟子や所属タレントの借金を肩代わりしたことも数知れず。「たけしがフライデー襲撃事件を起こして謹慎中に、水道橋博士が暴行事件を起こして600万円の示談金が必要になった際には、自身が大変な時期にもかかわらず、これを肩代わり。その後、十数年かかって返済した博士に、“身内にもいっぱい(金を)貸したけど、帰ってこないのが当たり前。売れてない弟子が600万なんて返せると思って貸してないけど、お前だけは完済したな”と言って、博士を泣かせたと言います」(テレビ誌記者)

 また、所属タレントの山本モナが不倫騒動で、2度にわたり事務所に大きな損害を残した際も、たけし本人がこれを補填したという。「08年の巨人の二岡智宏との不倫騒動でフジの新番組『サキヨミ』の出演を1回で降板することになった直後には、フジ幹部に自ら頭を下げ、夏の『FNS27時間テレビ』にノーギャラで出演したという話が伝わっています」(前出の放送作家)

 なぜ、こうも、たけしはお金に寛容なのか。前出のラリー氏は、「やはり、母・サキさんの影響が大きかったのではないでしょうか」と、こう続ける。

「たけしさんの著書を読んでいると、家庭にお金はなかったものの、“誰だって金は欲しいに決まっている。だけど、そんなものに振り回されたら、人間はどこまでもいやしくなるんだ”という、サキさんの躾が徹底していたことがよく分かります。その教えがたけしさんの中から消えることがないから、お金や物に執着することがないのだと思います」

 豊洲市場移転問題や東京五輪問題を“下品”と斬ったのも、サキさんの教えの通りだったのではないか。また、ツービートの相方のビートきよし氏は、「相方は、浅草修行時代に世話になった深見千三郎師匠の影響を大きく受けていると思うよ」と、語ってくれた。

「師匠は、一緒に寿司を食いに行くと、“これで払え”って、財布預けて先に出ていっちゃうの。で、勘定払って、板前さん3人に祝儀配るんだけど、祝儀のほうが勘定より高いんだから。だから、師匠は寿司代があっても祝儀代がないときは寿司屋に行かない。そういう粋な金の使い方が、身についちゃってんだろうな」

 一方で、こんな話もある。「お付きの若手に1000円を渡して、飲み物を買いに行かせたとき、“お前、お釣り200円あるだろ”と返却を要求したというんです(笑)」(放送作家)

 これに対し、前出のお笑いプロ関係者は、「いつもは何百万も奢るのに、200円返せっていう、そういうギャグを弟子とやりたいんだと思いますよ。そういうところも、深見師匠に似ているのではないかと思います(笑)」

 最愛の母と師匠、2人の偉大な先人の美学を受け継ぎ、スケールを日本一、いや世界レベルにまで大きくしたのが、たけしの「お金論」ということか。すごくカッコいいけど、簡単にはマネーできないっての!

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