そして、忘れてはならないのが、今季メジャー3000本安打を達成したイチローとの対戦だ。「16年間、イチローはメジャーの並み居る100マイルの投手を打ち崩してきました。加えてセーフティバンドに好走塁と、攻撃における技術も豊富。いかな日本最速投手の大谷でも、百戦錬磨のイチローには苦戦するでしょう」(専門誌記者)

 いずれにせよ、MLBのレジェンドとなったベテランと日本プロ野球の革命児とも言うべき若武者の対決はメジャーでも屈指の好勝負となることは間違いない。

 そして、もう一つ忘れてはならないのが“打者・大谷”の存在である。大谷がメジャーに移籍した場合は、投手に専念させられるのはほぼ確実だが、日本ハムの一員として戦う場合は、栗山監督が大谷を「二刀流選手」として、投打の戦力としてフル回転させることは必至だ。

 16年シーズン、打撃に開眼した大谷は、101試合で377回打席に立ち、打率.321、22本塁打、66打点を記録している。「これは打者に専念していれば三冠王も可能という数字。左右に打ち分けるパワーと技術は、メジャーでも十分に通用します。大谷がガンガン打てば、負けず嫌いの中田翔も触発されて、実力以上の打棒を爆発させる可能性は大いにありますね」(スポーツ紙記者)

 もちろん、広島も日本ハムも、メジャーリーグの中で、ダントツで優勝するまでの力はないだろうが、なんとか、年間を通して頑張れば、ワイルドカードあたりに引っかかって、なんとかポストシーズンの戦いに潜り込むことは可能だろう。こうなると短期決戦の勝負。勝負がどう転ぶかは、まったく分からなくなってくる。「短期決戦の場合、選手層の厚さとか、過密日程はまったく問題にならなくなります。波に乗ったチームが、そのままリーグを制したり、ワールドチャンピオンになる可能性は少なくありません」(福島氏)

 黒田が投げ、新井、鈴木が打って、持ち前の機動力でかき回す広島か、それともメジャー初の二刀流選手・大谷が投打に活躍する日本ハムか。いずれかのチームがワールドシリーズを制して真の世界一チームになるのは決して夢物語ではないのだ。

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