筆頭は“世界一のコワモテ指導者”こと、ロシアのプーチン大統領だろう。ロシア国営メディアは大統領選中、あからさまに民主党候補のヒラリー氏を批判。選挙後は早々とトランプ氏に電話をかけ、歓迎の意を伝えたという。「プーチン大統領いわく、“強いリーダーシップはオバマ大統領より上”。トランプ氏になり、アメリカがNATO(北大西洋条約機構)への関与を薄めれば、ロシアにとっては有利な結果となります。また、ロシアには、選挙期間中、ハッキングによりヒラリー氏の私的メールのスキャンダルを暴くなど、トランプ氏の“側面支援”をしたとの疑惑もあります」(前出の宮崎氏)

 プーチン大統領に続き、フランスの次期大統領候補の一人であるフランス国民戦線のマリーヌ・ルペン党首も、トランプ氏を大絶賛する。

 また、米軍を撤退させると吠えていたフィリピンのドゥテルテ大統領は、「俺と同じ暴言癖がある人物が大統領になるので、アメリカとの喧嘩はもうやめる」と、トランプ氏に“無条件降伏”を宣言している。

「最も“トランプ大統領”を歓迎しているのは、イスラエルのネタニヤフ首相です。彼は超タカ派ということもあり、中東への関与を薄めたオバマ政権には否定的でした。ところが、トランプ氏は“エルサレムをイスラエルの首都と認める”“イランとの核合意を見直す”と明言していますので、イスラエルにとっては歓迎すべき大統領でしょう」(外信部記者)

 日本ではあまり知られていないが、トランプ氏が最も力を入れると明言しているのは、中東外交なのだ。日本にとって気になるのは、中国と北朝鮮も、トランプ政権を歓迎していることだろう。中国の習近平国家主席がトランプ氏へ祝意を伝えたほか、北朝鮮も対外宣伝用のウェブサイトで、トランプ氏を「長期的な視点を持っている賢い政治家」と持ち上げている。

 ただ、宮崎氏は、「トランプ氏は中国を除外するTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に反対しているので、短絡的にはしゃいでいるだけ。もし、トランプ氏が中国に好意を持っていても、対中外交は国務省がリードしますから、中国が考えているほど甘いものにはなりませんよ」

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