石浦 なぜ、あれほど勝てたのかは自分でも分からないんですが、立ち合いに集中できていたのがよかったのかな? と。それと、お墓参りです。ボクはわりと古風なタイプで、子どもの頃から母に連れられて、母方の先祖と、鳥取出身の初代・両国関のお墓にお参りに行っているんです。九州場所が終わってから鳥取に帰ったときも、両方のお墓に足を運んで、「今、おかげさまで、ケガなく相撲を取れています。ありがとうございます」と、報告してきたところなんですよ。

――初場所の意気込みはいかがですか。

石浦 体が小さい分、あくまで自分から攻めていく相撲を取っていきたいと思っています。恐れ多いとは思うんですが、昭和50年代に「ちびっ子ギャング」の愛称で大活躍された鷲羽山関(前・出羽海親方)のような相撲が目標で、昔のビデオを見たり、鷲羽山関と対戦したことのある親方に話を聞いたりして、取り口を研究しているところなんですよ。そして、見ている人たちが、「石浦だったら、何かやらかしてくれる」と期待感を持ってくれるような力士でありたいと思っています。

 礼儀正しく、どんな質問にもハキハキと答えてくれた石浦関。横綱・白鵬を見習った、ファンへの優しい対応は“力士の鑑”だろう。二代目「ちびっ子ギャング」の大暴れが楽しみだ。

石浦 将勝(いしうらまさかつ) 本名=石浦将勝。
平成2年1月10日、鳥取県鳥取市出身。鳥取城北高相撲部の石浦外喜義監督(現在は同校校長)の長男として生まれる。小2から相撲を始め、中3で全国都道府県大会個人3位。高1と高3で全日本ジュニア体重別80キロ未満級優勝。日大1年で東日本学生体重別無差別級2位。卒業後、オーストラリアへの語学留学を経て宮城野部屋に入門し、平成25年1月場所、初土俵。平成28年の九州場所では、新入幕にして10連勝し、敢闘賞を受賞。得意は右四つ、下手投げ。173センチ、114キロと幕内最軽量。

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