松井府知事が中心となって進めてきた大阪の2025年万博招致は、今年の3月に報告書をまとめ、5月22日までに正式に立候補を表明することになる。「万博に合わせてカジノを誘致する、というのが維新の狙い。菅官房長官の剛腕でカジノ法案を通過させた安倍政権が、橋下氏の出馬と憲法改正への協力を要請したというのが、衆目の一致するところでしょう」(永田町関係者)

 総選挙に万博招致と、勝負が続く橋下氏と安倍首相の蜜月はしばらく続きそうだが、小池氏と首相の関係は一筋縄ではいかない。党意に背き都知事選に出馬した小池氏が自民党籍を残しているのに、都知事選で小池氏を応援した豊島、練馬区議の7人が党から除名処分を下されるという、奇妙な状態にあるのだ。

「言い出した者が責任を取る必要があるので、小池氏が自民党籍であることを問題視する人はいない。安倍首相は波風立てず、つかず離れず、でしょう。小池氏も、夏の選挙、あいるは、それ以降も何かの際に切れるカードとして、党籍は温存しておきたいでしょうね」(政治ジャーナリストの角谷浩一氏)

 前出の鈴木氏も語る。「今後の安倍政権が改憲、天皇の生前退位など大きな課題に取り組む中、毎週金曜日の都知事会見で、国政にコメントすることもあるでしょう。かつて小泉政権時に石原慎太郎都知事が国政を批判し、それで支持率が下がったこともあった。小池氏の発信力は石原氏と同等か、それ以上ですから、逆に政権支持率への影響も十分に考えられます」

 この発信力は橋下氏も同格で、小池氏と橋下氏の共通点として、「小池氏も橋下氏も、メディアに情報を露出していくことですね。大阪や東京や名古屋は、世論が流動的で、情報の発信力が重要。そこが優れています」と、猪瀬氏も語る。

 昨年12月の会見で「今年は大爆発の年。特に後半」と、激動の16年を総括した小池氏。15年12月に大阪市長を辞任してから、雌伏1年を経た橋下氏。17年、両者が動けばニッポンが揺れることは間違いなさそうだ。

本日の新着記事を読む

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4