それだけではない。「新政権は労働組合寄りの施策を取るはずです。財閥・大企業側にとっては経営の圧迫につながる可能性が大きく、(かつての左翼政権)盧武鉉大統領の時代のように、経済成長にとってマイナス要因となる政策を実施する可能性があります」(前出の井野氏)

 景気の減速に金融不安。そのうえ、新政権が経済をさらに悪化させる。「失業者が増えるのは間違いないでしょう。大量の失業者が日韓合意の破棄を求めてデモを起こし、暴徒と化した彼らが、日本大使館に乱入する事態も考えなくてはなりません」(前出の室谷氏)

 さらに、軍事面でも不安材料は増すばかり。「かつて盧武鉉政権は、韓国の機密情報の大部分を北朝鮮に恒常的に流していたことが指摘されています。その折の大統領秘書室長などを歴任したのが、現在、大統領の座に最も近い文在寅です」(井野氏)

 加えて、「北朝鮮への制裁解除を段階的に進めるはずです。北朝鮮はドル箱の開城工業団地の操業再開や金剛山観光事業の再開を望んでいますが、これにも早晩、応じるでしょう」(前同)

 今のところ米国は、日米韓の軍事面での同盟関係を堅持する考えを示しているが、韓国の新政権が“親北”“反日”の傾向を強めれば、トランプ大統領の堪忍袋の緒が切れる。それどころか早くも左翼政権は、5~7月を目途に推進している「高高度ミサイル防衛網(THAAD)」の配備取り止めや、日韓軍事情報保護協定の破棄を打ち出しているという。

「中国は特に、THAADの配備を警戒しています。米国がTHHADを軸に、アジア版NATOの形成を企図していると警戒し、なんとか対中包囲網を作らせまいとしているからです。そこで中国の『環球時報』は、中国の韓国への圧力と工作を指して“ニワトリを殺し、猿を黙らせる”と報じています。猿回しの猿が言うことを聞かないので、目の前でニワトリの首をはねて怖がらせ、猿に言うことをきかせるという故事に由来する表現です。ニワトリが韓国、猿が日米を指していることは言うまでもありません」(同)

「親北」はもとより、「従中」を志向する韓国の新政権誕生で、韓国はいよいよ自滅へと追いやられる。

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