自身の経験や趣味で得た知識を生かすなら、「移住アドバイザー」はどうか。「リタイア後に地方に移住する方が増えていますが、いざ、それに直面すると、さまざまな手続きや問題が出てきます。すでに移住の経験があれば、今から移住しようとする人に必要なことを総合的にアドバイスすることができるはずです。行政からの仕事も多く、都市部で行われるIターンやUターン推奨イベントに、相談員として呼ばれるケースもあります」

 また、定年後に「セカンドライフアドバイザー」に転身という選択肢もある。「早期、または定年退職を予定している人に、自身の経験から離職後の生活をアドバイスします。介護の相談先や年金の受給の方法など、今さら人に聞けないことは意外に多いですし、離職後に準備するべきことを具体的にレクチャーできる人は、今後、大いに求められるはずです」

 もちろん、会社員時代のスキルを生かすのも大ありだ。「コンサルタント業」「営業代行」は、長年の会社勤めで得た経験と専門的な知識が大きな武器になる。「たとえば、企業の人事部出身者で、定年後に中小企業に雇用の斡旋アドバイスを行って成功したり、前職の経験を生かし、遊園地などの施設設計のコンサルタントで、年商5000万円という人もいますよ」

 そして、即戦力としてのニーズが最も高いのが「営業代行」だという。「依頼主に代わり、商品の販路拡大のための営業活動を行います。商談をまとめ、3~5%の契約マージンが収入に……。在庫を抱える必要もなく、運転資金はほぼゼロですから、ローリスクで始められます」というから、営業一筋ウン十年というお父サンは、ぜひとも、その経験を生かすべきだろう。

「成功のポイントは、同じように起業した仲間と情報交換ができる異業種交流会のような機会があること。一人で悶々と考えて成功した人は、本当に少ないんです。また、集客手段は、ホームページよりも、チラシのポスティングやポスターなど、アナログのもののほうが効果的なようです」

 最近は、月1万円で借りられるレンタルオフィスが増えている。まずは事務所を構えるところから始めてみるのはいかがだろうか。

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