奥菜 そうですね。技術的なことはよく分からないんですけど、結局は自分が演じる役の、そのときの心や体の状態がどうなっているかを深く掘り下げていく作業でしかないと思うんです。そこさえちゃんと押さえておけば、自然と声は使い分けられると思うんですよね。

――台本を読んで共感されたところはありますか?

奥菜 新郎になる男性が、すごく心配性なんですね。“披露宴の席でこの人とこの人が一緒の席になるけど大丈夫かな”とか、細かいことをいちいち気にしているんです。それを見た華が、“なんて器の小さな男なんだ”って、あきれるシーンがあるんですが、そこは共感できる気がしますね(笑)。私がというより、女性なら誰でも、男性に対して同じように感じたことあるんじゃないかな。

――奥菜さんご自身にも、そういう経験が?

奥菜 いえいえ。共感はしますけど、なかなかそこまで心配性の人に出会ったことないですよ~(笑)。

――では、奥菜さんのプライベートでの結婚生活は、どんな感じなんですか?

奥菜 主人は、何も言わなくても、なんでもやってくれて、すごく協力的ですね。彼が仕事のときは私が主婦になり、私が仕事のときは彼が主夫になって、って感じです。

――それは理想的ですね。普通は男ってなかなか動かないですから(笑)。奥菜さんも家事はお得意ですか?

奥菜 さすがにするようになりましたね。20歳ぐらいから一人暮らしを始めているんですけど、ホントに料理とかをする余裕がないまま来ちゃったんですね。でも、子育てのうえでは、やっぱり料理も日課になってくるので、覚えるようになってきました。

――そうですよね。2人の娘さんのお母さんでもあるんですよね。

奥菜 はい。上が小学生で、下が幼稚園です。もう大変ですよ。基本的に私、忘れっぽいんです(苦笑)。日々やることでもそうですけど、子どもたちのやることや持ち物も、ちゃんとチェックしなきゃいけないから、家中いろんな場所に付箋を張って忘れないようにしています。玄関のドアに今日は〇〇があるから××を絶対忘れちゃダメ、とか(笑)。

――ちゃんと“お母さん”してるって感じですね~。

奥菜 全然ちゃんとしてないですよ~。でも、ちょっと演じている部分もあるんです。私が“忘れちゃうからお願いね”って言うと、娘たちが学校や幼稚園でしっかり聞いてきますから。

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