そして、軽い運動を継続することは、認知症になるのを予防するともに、万一なってしまった場合も、進行を抑える効果がある。「体を動かすと、思考や意欲をつかさどる前頭葉の機能が高まるといわれています。また、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を続けることで、脳のゴミを掃除する物質が増えることも分かっています。しりとりをしながらステップを踏むなど、簡単な頭のトレーニングをしながら体を動かす“コグニサイズ”は、特に効果があります」

 運動だけではなく、頭を使うことも重要だ。脳は使わなくなると、どんどん衰える。生きがいや趣味を持つことや、周りの人とのコミュニケーションを大事にすることも忘れてはいけない。「定年退職して一気にボケないよう、50代までに生涯の趣味になるものを見つけてください。仲間と楽しめるものなら理想的です」

 鍛えたあとは、脳をいたわろう。十分に睡眠を取ることが認知症を遠ざける。「最適な睡眠時間は“7時間”です。私たちが眠っている間に、脳の中では認知症の原因になる脳のゴミを掃除してくれています」

 最後に羽生氏が加えたのは、頭をぶつけないこと。「大ケガではなく、コツンとぶつけた程度でも、脳の中で炎症が起きて脳のゴミがたまりやすくなります」

 つまり、脳には良質な栄養を送り込み、大切にいたわりつつ、適度に鍛えることがポイントなのだ。ちょっとした生活の見直しで、認知症は予防できる。今からこれらを守り、超高齢になっても運転免許を更新できるくらい、心身ともに健康でいよう!

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