命に関わる頭の痛みとは?「頭痛」の基礎知識の画像
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 いつものアレと軽視すると、取り返しのつかない深刻な事態になることも。そのメカニズムと“対処法”を識者に聞いた!

「春先に入ったここ数日、頭痛が発生しやすくなっていないでしょうか?」 こう話すのは、東京女子医科大学脳神経外科の客員教授で、『頭痛は消える。』(ダイヤモンド社)などの著書がある清水俊彦氏だ。

 こう尋ねられても、薬を飲めば、それで問題ないと思う人も多いだろう。しかし、それはあまりに早計。頭痛をこじらせれば、日常生活に影を落とす事態になりかねず、最悪の場合、死に至る大病が潜んでいることもあるのだ。

 そもそも頭痛と一口に言っても、いくつかの種類があり、対処法や治療方法は違うという。特に、「緊張型頭痛」と「片頭痛」が“二大横綱”とされてきた。「緊張型頭痛は、頭部を輪っかで締めつけたような痛みを感じさせます。首や肩などの凝りや眼精疲労を伴うのが特徴です」(前同)

 これは日本人に最も多いもので、筋肉の硬直によって血管が収縮してしまい、血流が悪化。それにより溜まった老廃物が、神経を刺激することが原因だという。一方の片頭痛は、頭の片側に心臓の脈動と呼応するドクドクといった痛みを感じるもの。痛みは数時間から数日間続くため、2~3日間寝込んでしまう人もいるほど。片頭痛については話題になることも多いため、こうした症状をご存じの方も多いかもしれないが、「片側だけでなく両側が痛むこともあり、その結果、片頭痛と思わずに治療法を間違えている人もいます」と警鐘を鳴らすのは、『くどうちあき脳神経外科クリニック』(東京都大田区)の院長で、『脳神経外科医が教える病気にならない神経クリーニング』(サンマーク出版)の著書がある工藤千秋氏(脳神経外科医)だ。

「基本的には片頭痛に市販薬は効きません。軽い痛みであれば抑えることはありますが、片頭痛のための頭痛薬が必要です」(前同)

 片頭痛は吐き気や嘔吐を伴い、一度嘔吐すると、それを境にまったく症状がなくなるという。そのため、「ひと昔前は片頭痛を発症したら、そのままにして嘔吐を待つという乱暴な“治め方”もありました」(同)

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