片頭痛のメカニズムは緊張型頭痛と異なっており、「神経伝達物質のセロトニンが大量に放出されることで、脳の血管が異常に広がり、血管に巻きついている神経が圧迫されて発生します」(前出の清水氏)

 つまり、頭痛といっても、血管が収縮して起きる緊張型頭痛と血管が拡張して起きる片頭痛とは、対処法が異なるのである。冒頭で触れた春先に頭痛が起きやすいとの発言は、「気圧や温度の変化が大きいために、片頭痛と緊張型頭痛の両方が発生しやすい季節なのです。特に、昼間は暖かいのに夜がキュッと冷える日は注意。服装などで温度調節をしてください。また、神経伝達物質セロトニンの合成が不安定になるため、頭が重たい、あるいは気分が優れないなどの症状も出やすい」(清水氏)

 気になる頭痛の対処法だが、緊張型頭痛の場合、まず血流の改善をすべきで、マッサージや入浴が効果的。『スポーツ整体WALKIN』(東京都台東区)の院長の渡辺真一氏(整体師)は、「肩や首が凝ると側頭筋(頭部の横にある筋肉)も緊張し、それが頭痛の原因になると考えられます」と前置きし、頭痛発生後の改善効果に加え、予防にもなる対処法を教えてくれた。

 まず、頭の側頭筋の盛り上がっている部分を両手の親指を除いた4本の指、あるいは、手のひらの手首に近い部分で揉む。そのとき、口を閉じていると側頭筋が緊張したままなので、口を軽く開ける。これを1回10秒、少し間を空けて4~5回やるだけ。この間に頭痛が収まれば止めていい。注意点は、もし揉んでみて痛いと感じる場合は、強さを痛みを感じない程度に弱めること。痛いまま続けると、側頭筋の細かい筋肉を傷めることになるという。

 また、頭痛薬についてだが、清水氏は痛み始めに服用することを勧めたうえで、「成分表示を確認して、複合成分の物ではなく、単一成分の物を選びましょう。複合成分の薬品は使用とともに効果が薄れたり、依存症が出る恐れがあります」 単一成分の頭痛薬としては、『ロキソニンS』『バファリンA』『リングルアイビー200』が、よく知られている。

 ちなみに工藤氏によれば、意外な方法で緊張型頭痛を改善できるという。「それは多少の飲酒です。アルコールは血管を拡張させますからね」

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